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KUON GEOLearn › GPSの精度と誤差

GPSはなぜずれるのか

地図の青い点が道の反対側に出る。歩いていないのに位置が動く。GPSの位置には必ず誤差がありますが、出どころは限られていて、そのうちのいくつかは自分で減らせます。ここでは誤差を5つに分け、どれが自分の手に負えて、どれが負えないのかを分けます。

位置は距離の測り合いで決まる

衛星は、いま何時かと、自分がどこにいるかを電波で送り続けています。受信機は、その電波が届くまでにかかった時間から距離を出します。衛星4機以上との距離が分かれば位置が決まります。4機必要なのは、受信機の時計のずれも一緒に解くためです。

つまり距離の測り方を狂わせるものが、そのまま誤差になります。以下はすべて、距離の測り方を狂わせる要因です。

誤差の出どころ 5つ

電離層。地上100kmから1000kmあたりの電気を帯びた層を通ると、電波が遅れます。補正しなければ数十メートル、簡易な補正を当てても数メートルが残ります。いま最も大きな出どころです。

大気。地表付近の水蒸気でも遅れます。湿度の高い日ほど効きます。数メートルの範囲です。

反射波。ビルの壁、ガラス、地面、車体で跳ね返った電波が混じると、距離が長く測れます。市街地で位置が隣の道に出るのは、ほぼこれです。空が見えていても、周りに反射するものがあれば起きます。

衛星の配置。空に広く散らばっていれば位置は決めやすく、同じ方向に固まっていると交わり方が浅くなってぼやけます。この良し悪しは DOP という数値で表され、小さいほど良い状態です。

衛星側と受信機側。衛星の時計と軌道の情報にもわずかな誤差があり、1〜2メートル。受信機の雑音とアンテナの質も効きます。

実際にどれくらいずれるのか

空が開けた場所で数メートル、住宅街で5〜10メートル、ビルの谷間で数十メートル。屋内では位置が出ないか、大きく外れます。

高さの誤差は水平の1.5〜2倍あります。理由は単純で、衛星が空の上にしかないからです。上下を挟み込む配置が作れません。

自分で減らせるもの

効く順に並べます。空が見える場所へ出る。これが最も効きます。建物の陰、木の下、高架の下から一歩出るだけで変わります。

置き方を変える。鞄の中、ポケットの奥、金属の陰では受信が落ちます。空に向く面を塞がないでください。

起動してから少し待つ。位置が安定するまで数十秒はかかります。

複数の衛星系統を使う。GPSだけでなく、みちびき・GLONASS・Galileo・BeiDou を併用すると見える衛星が2倍以上になり、配置が偏りにくくなります。日本ではみちびきが真上にいるので、ビルの谷間で効きます。

2つの周波数を受けられる受信機を選ぶ。周波数が2つあると電離層の遅れを計算で消せます。反射波にも強くなります。買い替えのときに最も効く違いです。

受信機1台では越えられない壁

ここまでやっても、単独で測る限り誤差は数メートルの水準にとどまります。原因が受信機の側ではなく、電波が通ってくる空の側にあるためです。

越える方法は一つ。位置が正確に分かっている場所に置かれた受信機と比べることです。近くにある受信機は同じ空を通った電波を受けているので、同じ誤差を含んでいます。そのずれを差し引けば、共通の誤差が消えます。これが RTK で、誤差は数センチメートルになります。

必要なのは、RTK に対応した受信機と、補正情報の出どころです。出どころには、公開されている無料の基準局、有料の配信サービス、そして日本ならみちびきからの放送があります。

まず自分の周りを見る

始める前に、行動範囲の近くに使える基準局があるかを調べておくと、無駄な買い物を避けられます。基線が長いほど精度は落ちるので、10km以内に局があるかどうかが分かれ目です。

KUON GEO は世界の公開基準局を10分ごとに巡回し、稼働の実績とともに一覧にしています。地図の上では、局のまわりに10kmと20kmの円が重なるので、自分の現場がどの円に入るかを目で確かめられます。