KUON GEO
KUON PWV · 実況であって、予報ではない

近畿の上空に、いまどれだけの水蒸気があるか。

公開RTK基準局10局。大阪・神戸・京都・奈良・和歌山・三重の6局と、太平洋側の上流にあたる高知・香川・広島の3局、東の岐阜の1局。その生の衛星信号から大気が信号に足した遅れを計算し、最寄りのアメダスの気圧で乾いた分を引き、残った分が各局の上空に立つ水蒸気の量です。全部が雨になったら何ミリ降るか、という単位で出します。毎時更新、実時間から約2時間遅れ、一日中30秒ごと。

この頁に出るのは観測とその記録です。予報でも警報でもありません。日本の予報と警報は気象庁が出しています。
直近72時間・全局

単位は可降水量のミリメートル。線は一本が一局。時刻は日本時間。

局ごと
HOW IT IS COMPUTED

生の信号から、水のミリメートルまで。

各局は生の観測(RTCM)を公開で流しています。KUON GEO はそれを5分ずつ記録し、直近8時間を30秒間隔の RINEX に変換して、PRIDE PPP-AR で精密単独測位を行います。暦は武漢大学が実時間で公開している軌道と時計(WUM0MGXRTS)です。出てくるのが天頂全遅延(ZTD)で、真空中より信号がどれだけ長くかかったかをメートルで表したものです。

その遅延のうち乾いた大気の分(ZHD)は地上気圧から Saastamoinen の式で決まります。気圧を観測している最寄りのアメダスの値を、気圧の高度式で GNSS アンテナの高さに直して差し引きます。残りが湿った分で、Bevis の関係式で可降水量に換算します。気柱の加重平均温度には最寄りのアメダスの気温を使います(Tm = 70.2 + 0.72 T)。

すべての値に、時刻、使った暦、使ったアメダスの観測点、定数を添えています。観測が無いところを埋めることはしません。実時間暦の公開は実時間から約1時間40分遅れるので、この頁の最新の値は約2時間前のものです。

WHAT IT CAN AND CANNOT TELL YOU

水蒸気の増加は大雨の条件であって、大雨の予測ではありません。

大雨には豊富な水蒸気が要るので、複数の局で同時に速く増えるときは見る価値があります。ただし水蒸気が多いだけでは雨は降りません。夏には気柱に 55 mm あって何も降らない日がいくらでもあります。線状降水帯で効くのは水蒸気の流れとその収束で、それには風と面の網が要り、一点では分かりません。

ここの値は、流れの質と座標と稼働率で選んだ10局の善意の基準局から出しています。国土地理院の電子基準点1,300局ではありません。電子基準点の遅延は気象庁が既に数値予報に同化しています。KUON GEO が足しているのは、この値を分単位で公開し、残すことです。

精度は可降水量で数ミリです。気圧は 3〜25 km 離れた観測点から取っていて、1 hPa の誤差は約 0.35 mm に当たります。楕円体高から標高への換算に使うジオイド高は地域の定数(37 m)で、誤差 2 m 程度、可降水量では 0.1 mm 未満です。

DATA

日ごとの公開データ。

局ごとの UTC 一日が一つのファイルで、/api/pwv/{局}/{YYYY-MM-DD} に30秒の値(ZTD、ZHD、局の気圧、気温つき)があります。72時間のまとめは /api/pwv/latest。無料、鍵なし。使うときは KUON GEO と上の出典を示してください。

基準局: 善意の NTRIP キャスター(geortk.jp、rtk2go.com、ntrip1.bizstation.jp)。名乗りを付けて接続しています。暦: 武漢大学 WUM0MGXRTS(IGS 経由)。処理: PRIDE PPP-AR(武漢大学)。気圧と気温: 気象庁アメダス10分値(KUON GEO が保存)。定数: Bevis ほか 1992, 1994; Saastamoinen 1972。