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RINEXとは? — GNSS生観測の標準フォーマット

RINEX(ライネックス)は、GNSS受信機の「生の観測」を、メーカーに依存しない共通の形で記録するための世界標準フォーマットです。測量やドローンで使う「後処理(あとから精密に計算する方法)」の入り口であり、u-blox・Septentrio・Trimble——どの受信機のデータも、RINEXにすればRTKLIB等の解析ソフトで扱えます。

「答え」と「材料」— NMEAとの違い

受信機が出すデータには2種類あります。NMEA($GPGGA 等)は、受信機が計算し終えた答え=位置・時刻です。一方RINEXが記録するのは、計算の材料=生の測定値(衛星までの距離=擬似距離、電波の山の数=搬送波位相、信号強度)です。精密な後処理には材料が必要で、答えだけのNMEAからRINEXは作れません(材料が捨てられているため)。

RINEXに入っているもの

主に2つのファイルです。観測ファイル(.obs)には、各時刻(エポック)で各衛星の擬似距離・搬送波位相・SNR・ドップラーが並びます。航法ファイル(.nav)には、衛星がどこを飛んでいたか(軌道暦)が入ります。この2つを解析ソフトに渡すと、精密な位置が計算できます。中身は人間が読めるテキストで、ブラウザのビューアで衛星の可視状況を確認できます。

なぜ「標準」が必要なのか

受信機メーカーごとに生データの形式はバラバラ(u-bloxは.ubx、Septentrioは.sbf…)。そのままでは解析ソフトが読めません。RINEXという共通形式に変換すれば、どのソフト・どのサービスでも同じように処理できます。これがRINEXが「交換フォーマット」と呼ばれる理由です。

バージョンとHatanaka圧縮

RINEXには 2.11(旧)と 3.xx(現行・多GNSS対応)、そして 4.0 があり、現在は3.04が一般的です。また観測ファイルはテキストで大きくなるため、日本発のHatanaka圧縮(.crx)で1/3以下に縮めて配布するのが標準(IGS等)。KUONでは圧縮/解凍品質チェックもブラウザでできます。

使い道 — 後処理(PPK / PPP)

RINEXはリアルタイムのRTKと違い、後から精密な衛星軌道を使って計算します。基準局のRINEXとローバーのRINEXを組み合わせるのがPPK、1台だけで精密軌道を使うのがPPP。どちらもcm〜dm精度を狙え、RTKLIBやPRIDE-PPPAR、オンラインPPPサービスにRINEXを入力して使います。