迷い猫を実際に見つけた方法
猫がいなくなったとき、何から手をつければいいのか。この問いにも、1,210件ぶんの回答があります。同じ調査(Huang et al. 2018)は、どこで見つかったかだけでなく、何をして見つけたかも集めていました。
効いた方法、効かなかった方法
調査は5つの方法を挙げ、回答者に何を使ったかを聞いています。実際に猫を取り戻せた人の回答から、有効だったものはこうでした。
効いた
・保護器(ハミュエイントラップ/ドロップトラップ)で捕獲して連れ帰った
・トレイルカメラやベビーモニター等で、近くに潜んでいることを確認した
効かなかった
・「家を罠にする」方法(ドアやガレージを開けて、戻ってくるのを見張る)
捕獲を試みた人は、回答者の20%しかいませんでした。使った人には効いているのに、ほとんどの人が使っていません。
この並びが意味していること
上の2つを並べると、順番が見えてきます。
カメラで「いる」ことを確かめてから、保護器で捕まえる。
逆から始めてはいけません。どこにいるか分からないまま保護器を置いても、当たりません。そして開けたドアを見張るだけでは、猫が来るまで何も起きません。
私たちの捜索の道具で「ここを探した」を記録するのは、この順番の最初の段にあたります。存在を確かめる作業そのものが、次の一手を決めます。
専門家に頼んだ場合
ペット探偵や捜索ボランティアの支援を受けた場合、57%が生存発見されました。
論文はこれを、専門家が適切な助言をし、効率のよい方法を使えるためだろうと説明しています。徹底した物理捜索、チラシの配布、保護器の使用です。
全体の生存発見率は1年で61%(95%信頼区間 57〜64%)ですから、57%という数字だけを見て「専門家に頼めば上がる」とは言えません。依頼する人は状況が難しい場合が多く、単純な比較になりません。
ただし、専門家が使う方法(物理捜索・チラシ・保護器)が有効な方法として挙がっていることは、調査と一致しています。
身元表示
猫の62%が何らかの身元表示を持っており、その61%がマイクロチップでした。
身元表示のある猫は52%が生存発見され、2%が死亡確認されました。
GPS や電波の発信機を着けていた猫は、統計を取れるほどの数がいませんでした。効果は不明です。
時間が経つとどうなるか
同じ調査から、生存発見率の推移です。
1年で61%(95%信頼区間 57〜64%)
4年で64%(95%信頼区間 60〜67%)
1年から4年で、3%しか増えません。1年を過ぎると、新たに見つかることはほとんどないということです。
同時に、0にもなりません。4年目に見つかった猫がいるということでもあります。
実務としての順番
以上を、手を動かす順に並べ直すとこうなります。
1 脱走地点の周囲を、しゃがんで、下を覗いて探す。内側の輪から
2 見つからなければ、カメラを置いて「いる」ことを確かめる
3 確認できたら、保護器で捕まえる
4 毎日通えないなら、専門家への依頼を検討する
やらないほうがよいこと。ドアを開けて見張るだけ。大人数で囲む。大声で呼び続ける。範囲を早々に広げる。
書いておくこと
この調査は、自ら手を挙げた飼い主による回答です。猫を見つけられた人のほうが回答しやすい可能性があり、数字は実際より良い方に寄っているかもしれません。
「効いた/効かなかった」も、回答者が2つ選んだ「最も役に立った方法」の集計です。方法どうしを実験で比べたものではありません。
それでも、1,210件から得られた並びは、何も無いよりはるかに確かです。